体幹が弱くて、縄跳び・ボール投げなど上手くできない

というような投稿を見かけました。勝手に解説していきます。

球技が苦手なので球技の練習、ボールでの運動…と取り組むと、苦手なことをしないといけないので大変かもしれません。※ボール運動しない方がよいということではないです。
ボールを捕るには
・まずボールを見る眼の能力
・ボールのスピードや距離を認識する感覚
・そしてそれに合わせて体を動かすこと、などが必要です。

まずボールを見ることに関してですが、視覚をきちんと働かせるためには、頭部が安定していないといけません。球技が苦手な子は、体を動かすとき頭と眼が安定しません。逆に得意な場合は体を大きく動かしても頭はあまり動かずに目標を見続けることができます。
これは赤ちゃんのときからの、周りを見る(眼球運動や首の動きの発達)、頭を起こせるようになる、姿勢を変えられるようになるといった運動と関係しています。

人は眼の動きを発達させるとともに、自分の周りの空間を認識できるようになってきます。
空間認識能力は、まずは自分の体を認識し、それから周りへと広がっていきます。基準となるのは自分の体ですので、自身の身体の認識や感覚が未発達だと広がりづらくなります。物との距離を測ろうとしたときに、基準点がぐらぐら動いて定まらなければ正確に測れないというイメージで考えていただけるとよいかと思います。正確に測れない状態が続いているので、自分の体や周りの物との位置・ボールの位置や距離感タイミングなどがわからない、運動をしてもなかなか上手くならない状態です。

球技が苦手、縄跳びが苦手、走るのが苦手、といったときに、それ自体の練習も大切なのですが、基礎的な運動能力の育ちが不足している子が多いです。体を動かしながら平衡感覚などの基礎感覚も育ってきます。
いわゆる体幹が弱い、利き手が統一されていない、文字を読み飛ばすなどあるようですので、赤ちゃんのときの運動発達に沿った動き(仰向け・うつ伏せ・寝返り・ハイハイなど)から取り組めるとよいかと思います。

これらの運動もボールでの運動もそうですが、無理にさせようとせず、一緒にする、自然と体を動かすような環境を作ってあげられるとよいです。環境づくりとは、廊下に椅子を置いて昇り降りする・下をくぐる、段ボールなどでトンネルをつくるなどです。大人がトンネルになり脚の間や腕の間を通って遊ぶのもよいです。体を動かしたくない場合は、マッサージのように体をさすってあげたり、抱っこやおんぶしたりするのも皮膚にも感覚が入るのでよいです。小学生だと重いかもしれませんが。

小学生になるとドッヂボールなどすることが増え、苦手だと嫌な思いをしたり運動を避けるようになったりすることもあります。本来スポーツは楽しむもので、球技が下手でも足が遅くてもまったく問題ないと思います。ただ、学校などでもする機会が増えますし、楽しむためにも自分の体を上手く動かせた方がよいですね。また、身体感覚が育つ・体をしっかりと動かせることは学習にもつながります。

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