育児講座「噛まない子 噛めない子」~離乳食は何のため~ 感想

保護者の方から育児講座があることを教えていただきいってきました。

会場は肝付町のちゃいるどはうすhttps://www.child-house.com/

今回は講座参加のみでちらっと見ただけですが、施設は広々としてマット類やおもちゃなどもたくさんあり楽しそう、スタッフのみなさまも親切でした。

となりは高山温泉ドーム、大きな遊具のある公園もあります。

では講座について。たかはし記憶によりますので、誤解があったらごめんなさい。

最近の子どもの歯やあごの発育について、開咬や上顎前突、過蓋咬合、反対咬合などの説明。

高齢の方の写真と比較しての解説もありました。歯槽骨のしっかり具合がちがう。このような方が歯周病で歯槽骨が溶けていったとしてもなんとかなりそうですが現代っ子はどうなってしまうのか…

私自身は下顎後退で歯もしっかり並んでいませんし親知らずも横向き。歯槽骨も歯周病でだめだろう…という感じです。

子どものう蝕(虫歯)は減っているそうです。1960年?70年ごろは3歳児の9割くらいに虫歯があったそうですが、最近は9割はなし。

なんですが…歯肉炎は増加している。虫歯がなければOK!ではなくて、本当の歯や口の健康とは何なのか考えなければいけない。

給食の残食率の話や、食事中に水を飲まないという話もありました。

昔は食事中に水を飲まないのがマナーだった、食事が終わると茶碗にお茶をついで飲んだ。

味がないと食べられない、ジャムがないとパンが食べられない、よく噛まない・噛めないので飲み物で流し込まないと食べられない。

高度経済成長期ころから食文化も大きく変わり(ハンバーガーにはセットで飲み物がついてくる等)、噛む回数も変化した、残食率などの数字にも表れている、というような話だったと思います。

そして離乳食の話で一番印象に残ったのが

「離乳は咀嚼のトレーニング」ということでした。

栄養は母乳・ミルクでとれている。栄養をとるために離乳食を与えるのではない。

きちんと噛む、のむ、食事がとれるようにするトレーニングの期間であり、そのための離乳食である。

教科書的には、初期はペースト状のものから段階によって…のようになっているが、初期から柔らかいものだけでなく色々なものを口に入れる(食べない・飲み込まないでよい)、その割合が変わっていく。

手づかみ食べの大切さや、小さなときから色々な食材を口に入れていたほうが、後々食べられる種類も増える。また、おいしくない(刻んだりすりつぶしたりすることで苦みなどが強くなる野菜もある)ものを食べたいか。家族と同じものを食べたい。といったこともありました。

離乳食をマニュアル通りに完璧にしようとするよりも、家族の食事から少しつぶすなど食べやすくして与える。食べるのはまだ難しい食品も口にいれてみるなど「適当に」するくらいのほうが口腔の発達に良いかも。

近年の給食中の摂食嚥下に関する事故についても、食品の問題だけ、管理者側の問題にしていても解決しない。

幼稚園保育園でリスクを減らすために、給食をさらに柔らかいものにしたとしても、問題を先送りにするだけ。

これもまったくその通りだと思いました。

手軽にカロリーがとれる食品

柔らかい食事

おやつの文化

食事中の水

起床睡眠時間、便などの生活サイクル

マグなどの便利グッズの弊害

母乳よりミルクがよいという宣伝や風潮

離乳食についても、子育ての知恵が受け継がれず、自分で一から学ばなければわからないという現状は問題

これは離乳食に限らず、産前産後の過ごし方をはじめ授乳の仕方や抱っこ、おんぶの知識などなど、子育てがワンオペ状態になっている現代社会の問題だと思います。

ざっとこんな感じでした。

さまざまな写真や動画も交えて、噛まない・噛めない子の原因や離乳食の解説など大変わかりやすく勉強になりました。離乳食についての考えが整理されとてもすっきりしました。ありがとうございました。

最後に食事中の水はよくないけど、晩酌はOK!と言われましたので、これからも子どもたちに胸を張って大人のお酒はOK!と説明していきます。

新生児用の抱っこ紐?使っても大丈夫ですか?

外出時に抱っこする必要がある場合や、家事をしながら抱っこをしたい場合など、抱っこ紐を使用されている人は多くいるようです。抱っこが必要な子どもと出かけるとき、両手がふさがっていては荷物を持つのも何をするのも難しいので助かる道具ですよね。

しかし、抱っこ紐をきちんと使用し赤ちゃんの身体にやさしい抱っこができているかというと、そうでない人が多いように感じます。

◎明らかに良くない例(縦抱きの抱っこ紐の例)

・首がだらんと倒れている

・脚がぶらんと投げ出されている

これらは新生児用抱っこ紐の話でなく、首がすわって縦抱っこOK(一般的抱っこ紐の使用OK)のお子さんで見ることがあり、首や背中、股関節などに負担がかかります。以下新生児も首すわり前後の赤ちゃんのことも含めて書きます。

赤ちゃんの首がすわっていない・お座りができていないというのは、自分で頭や背骨を支えられていない状態です。その赤ちゃんを縦向きにすることは首や背骨が曲がる・いわゆる姿勢が悪くなることは想像できますね。

(※適切に頭や首、背中などを支えて縦抱きすることは可能です。縦抱きがすべて駄目ということではありません。赤ちゃんに負担のかからないやさしい縦抱っこもあります。)

首は神経の通り道としても重要ですので、長時間悪い姿勢(顔が前に出ている・頭が後ろ、前左右にも倒れている)では神経や筋肉に負担がかかります。大人であっても悪い姿勢で長時間座っているなどすると、首肩腰などの痛み、頭痛など起きることはイメージしやすいかと思います。体をしっかり支えているから・首もちゃんと支えているからと、体を縦にした状態で抱っこ紐の中に入れられて何分も何時間もいたらリラックスできますか?横に寝ている状態と同じように過ごせますか?頭や手足を自由に動かせますか?

急激に神経をはじめ身体を成長発達させている赤ちゃんにとって、無理な姿勢や抱っこの仕方で身体に負担がかかるのはできるだけ避けるべきと考えます。適切な抱っこのしかたでも、ずっと同じ姿勢にせずに体を動かす、姿勢を変えることが望ましいです。しっかりと首などを支えてくれる高性能の抱っこ紐であっても同じです。

そもそもなぜ抱っこ紐を使うのか?

ひとりで赤ちゃんを連れて外出しなければならない、手が使えないと困る、落とすなど何かあったら怖い…その通りだと思いますので抱っこ紐などの道具をうまく利用してほしいです。

ただ、腕で支えないから楽、腱鞘炎にならない、家事ができて便利…など、それはそれで大切かもしれませんが、赤ちゃんにとっては楽・便利・良いことなのでしょうか。

親が大変なのはわかります。便利なものは使わず苦労するのが大切だと言いたいのではありません。楽になるもの、便利なものはどんどん使った方がよいですが、デメリットがあるのではないかという場合はそれも考えなければならないと思います。

抱っこ紐に入れていると身体に良いのですか?身体が強くなるのですか?

横抱っこを嫌がる、反り返りが強い、抱っこからおろして寝せようとすると泣き止まない…そのような子どもさんが増えているようです。

それらの原因や改善方法を考えずに、縦抱っこが好き・落ち着くようだと新生児期からそのような状態が続くと、根本的な改善につながらないのではと心配してしまいます。

新生児期は向き癖や頭の形、授乳、睡眠など悩みがつきないと思います。寝る姿勢や布団の選び方、向き癖の改善の仕方、抱っこ、授乳姿勢、哺乳の唇や舌の動きなど、一つひとつの課題に対して改善につながるよう、産院や地域の保健センターなども利用して相談したり調べたり、信頼できる助産師さんなど見つけるなどできると助かるかと思います。

抱っこ紐について、新生児期から使用できますよ・抱っこしたまま家事もできますよ、というような広告を目にして、「新生児から使える抱っこ紐とか…使っちゃ駄目でしょ」と思ったのが今回の文章を書いたきっかけです。

私は抱っこ紐の専門家ではありませんので、さまざまな抱っこ紐やスリングなどの解説はできません。

個人的には首すわり前まで何も使わず、外出・旅行の際も素手で抱っこでした。1時間、2時間続けてしても大丈夫で問題なしでしたが、1・2か月過ぎて大きくなってきたら大変になってきますので抱っこ紐などに助けてもらうのはよいと思います。首すわり後から使える抱っこ紐はベビービョルンのものを購入しました。

詳しく解説などされている方もいるので、各商品のメリットデメリットや家庭や生活の状況など考えて選択してもらえればと思います。

先述したように、外出の必要があるときに使用するなどを否定したいものではありません。

また、以前に使っていた…駄目だったのか…と後悔させることも望んでいません。問題なく健康であればよいし、仮に何か運動面などに課題があれば今からできることをすればよいです。「姿勢が悪いのはあの頃の〇〇が悪かったんでしょうか」という方にもお会いします。原因を考えてそれを改善する取り組みをする。誰もが完璧に発育発達しているなんてことはありません。皆それぞれ課題があり改善もできます。

バンボなどの商品(面倒なので名前を出しちゃいますが)も同様に発達を妨げる可能性があり使用には注意が必要だと考えています。

自分で座る力がまだついていない子どもを「無理やり」座らせる状態にすることで、身体にどのような影響があるか…考えたらわかることだと思います。

便利ですよ、楽ですよ、安全ですよ、というようなメーカ側の宣伝的なものが広まり、デメリットがあることが周知されず、知らずのうちに赤ちゃんの身体に負担がかかるような使用がされている現状に問題があると考えています。

小児整形外科学会が推奨しているから…

医師が問題ないと言っていたから…

知り合いが大丈夫だったと言っていたから…

メーカーが安全ですと言っているから…

選択した結果の責任、影響を受けるのは誰でしょうか。

するもしないも自分で選択するしかありませんが、納得いくまで調べる・考えることをおすすめします。

高橋

2024年 08月 24日

https://tomproject.exblog.jp/242747223

こどもの体力運動能力低下について

2017年 08月 14日

https://tomproject.exblog.jp/237547076

「時間・空間・仲間がない」とよく言われます。

その通りだと思います。

ですが、幼稚園や保育園でも、外遊びなどで体を動かすことを大切にし、活動時間を確保しようとされています。

体操やスポーツ等さまざまな体育指導を取り入れているところもありますね。

こどもが遊べる子育て支援センターのような場所や、いろいろな遊具がある公園もあります。

スポーツ教室やスポーツ少年団では、週に3回、4回、何時間も活動しているところもあるでしょう。

時間も空間も仲間も、減少というより、内容・質が変化しているのかなと思います。

大人になると、滑り台を何回もしたい、ブランコやシーソー、ジャングルジムでもずっと遊びたい、という人はあまりいませんね。

(やってみると楽しいですけどね。)

こどもは高い所に登ったり、グラグラ揺れる物に乗ったりするのが大好きです。

体の揺れや回転、バランスをとることは、平衡感覚を刺激します。

これは運動発達に必要な刺激であり、こどもは自然とそれらの刺激を求めて動こうとします。

何か物があったら触ってみたい、叩いてみたい、投げてみたい、上に乗ってみたい…

飽きるまで、気が済むまでしたら次

おもしろそうなことを見つけたらまた次

さまざまな刺激、感覚や運動を求めて動きます。

新たなことに興味を持って、いろいろな運動や感覚を次々に経験することで、成長発達していくのですね。

こどもの時期に多様な運動を経験することの必要性は広く言われています。

ジュニア期のスポーツにおいても、ひとつの種目や動きに偏らないようにする、たくさんの種目に触れる。

これらの大切さは、何年も前から言われており、スポーツに関わる人にとっては常識だと思うのですが…

小さいときから野球。サッカー。ひとつの種目に打ち込むことが良し。日本ではそうなっていることが多いように感じます。

野球界、サッカー協会、各種団体でも、競技人口の減少や選手育成のために、さまざまな取り組みがされています。

プロ選手が野球教室をしたり、ティーボールやルールを変えた野球のゲームをしたり等

それらの内容も、幼児や小学生へのトレーニングとしてどうかと思うものばかりです。

だいたい野球をしていた人なんて、野球の練習ばかりしてきた訳で、プロだろうが何だろうが、幼少年期のトレーニングや指導については全く知らない・もしくは間違った考えの人が多いです。(高橋の主観です)そうではない素晴らしい指導者もいらっしゃいますが。

そして、それらの取り組みのほとんどが

「野球」の競技人口を増やしたい、「野球」の競技力を上げたい

という自分の競技のことしか考えていないものになっていると思います。

小さいときから、たくさんのスポーツに触れる

多様な運動スキルを身につける

もちろん好きなスポーツがあるなら取り組む

他の種目もしてみたいなら、2つでも3つでもやってみる

興味が変わったら、違う種目に変えてもよい

個人や種目にもよりますが、専門特化するのは、高校以降で十分です。

その方が結果として各競技の普及・活性につながると思います。

サッカーに負けないように

野球人口を増やしましょう

バスケットを幼児から普及させましょう

バレー協会でも対策を考えましょう

そんな風に考えても良くならないのでは。

「トップアスリート発掘・育成」等と言った事業で、体力測定や選抜テストもされていますが

結局、体が大きい、エネルギー系のパフォーマンスが高い、早熟型の子が選抜されやすく

生まれ月による影響や早熟傾向が有利になるような、偏りのある選抜・育成方法がされていると思います。

小学生のスポーツ団体での活動

野球だけではなく、サッカーもして、バスケットもして、体操もして、柔道もして…のように色々すれば良いのに

野球・ソフトボールのチームだから

毎回野球の練習

ランニングをして準備体操をして、キャッチボールをして、ノックをして、試合をして

素振りをして、腹筋・背筋をして、肩の筋肉を鍛えているつもりでチューブを引っ張って…

それで本当に高校、大学、それ以降でも活躍できる選手の育成につながっていますか。

サッカーや野球をしている子で

脚の筋肉がガチガチ、前屈で床に手が届かない、足裏全部をつけてしゃがめない、

腕をあげて(バンザイ)いくと耳より後ろまでいかない

肩が前に出て背中も丸まっている、腰も丸まっている・反対に骨盤が反っている、姿勢が悪い

そんな子がいませんか。

小学生の時から肩が痛い、肘が痛い、足が痛い…中学、高校で思い切りスポーツできませんよ。

自分の教室でも現在、足の怪我で1ヶ月ほど固定・安静になってしまった子がいます。

足関節に負担がかかるアライメント、足の状態だったので、怪我が発症する前に何とかできれば良かったのですが

トレーニングで改善、もしくは他の手段で予防することができなかったので本当に申し訳なく思います。

キャンプにも参加予定だったのですがキャンセルになってしまいました。

楽しみにしていた本人が一番がっかりしていると思いますし、一緒に行く予定だった同じ教室の子たちにとっても残念なことです。

故障によって、目標にしていた大会に出られない、スポーツを辞めないといけない。その子の人生に影響があります。

スポーツで故障させてはいけない。

もちろん競技を続けていく中で、競技力のレベルが上がるにしたがって、厳しいトレーニングで追い込むこと、故障と隣り合わせの状態にもなります。

無理をしてでも試合に出なければいけない状況もあるでしょう。

それがいつから必要なのかということです。

高校野球では

「野球は高校まで、卒業したら大学に行って勉強・社会人になって仕事。野球はしない。」

だから、痛みや故障があっても、無理をして試合に出る。肩肘が壊れてでも投げる。というようなことがあります。

考えは人それぞれ、その選手が自分で考えて納得しているなら結構です。

「野球は高校までで、卒業後は別のことに専念する。」という決意も素晴らしいことだと思います。

ただ、高校卒業後も野球が楽しめるように、ボールがもう投げられないような状態にはならないで欲しいです。

野球が大好きでしていたのでしょうから。

高校野球、高校での部活動は素晴らしいものでもありますが、そこがゴールの様になっている現在の日本のスポーツのあり方、指導や環境には問題があると思います。

大げさに言えば

今のスポーツの選手育成は

それぞれの選手が成長して階段をのぼるのではなく

横並びにふるいにかけられて、つぶれなかった選手が上に行ける、故障しなかった選手が生き残る

そんな形になっているように思います。

下手な子は下手なまま

同学年で上手い子(早熟型の子)が選ばれる、試合に出る

早くから試合に出ていた子は試合などの経験ができる

同学年の晩熟型の子は試合などの機会が少ないまま

そして次の学年へと進んでいく

小学生のスポーツ教室や少年団、中学高校の部活動を見ても

練習や試合の取り組み、選手の選抜や育成について、どこまで考えているのかなと感じます。

自分たちのような体育指導者、スポーツ関係者は、こどもたちに指導する責任をもって研鑽していかねばと思います。

高橋

現代のこどもへの運動指導

2017年 08月 09日

https://tomproject.exblog.jp/237490232

こどもの身体がおかしい

運動ができない、体力の低下

これは間違いなく問題なのですが

だから

小さい時からたくさん運動させましょう

たくさん走らせたら足が速くなりますよ

跳び箱も練習させたらこんなに跳べますよ

スポーツも早くからさせた方が上手になりますよ

小学校の体育がダメ

運動量が少なすぎる

もっと走らせろ、体操させろ

昔はもっとやっていた

といった考え方で解決するのか

運動が苦手、スポーツが下手、動きがぎこちない、不器用

体力運動能力がないのはなぜなのか

早くから鍛えれば、何度も練習すれば、厳しくすれば良くなるものなのか

ひと昔前と最近のこどもの違いは?

昔と現代の生活様式の違い

そうじ、洗濯、炊飯、風呂

ほうき、ちりとり、ぞうきんがけ…から掃除機に

洗濯機、炊飯器、風呂は自動、トイレも自動

遊びは?外?

山の中、草むらの中、川、石、坂、木などの環境

相撲、チャンバラ、メンコ、コマ回し、竹とんぼ

今はもう昔遊び?でする程度?

スポーツができる体・技能がある程度できていたのが昔

今はできる状態でないのに、早くから野球、早くからサッカー、しかもそればかり

先日話した方は、息子さんの野球部について

「野球もそうなんですけど、走るのが全然。走れないし、フォームもおかしい」

足が遅い、走り方がおかしい

「姿勢を良くして」

「腕振りは肘を背中に引いて」

「膝を前にまっすぐに上げて」

「脚を伸ばしてしっかり地面を蹴って」

…できないのはなぜなのか

背中が丸まって肩甲骨が使えていない

骨盤周りの筋肉が使えていない

足はアーチがつぶれて地面を押せていない

それは

ズリバイする時に

肩甲骨周辺をしっかり使って肩腕を動かさなかったから

股関節をしっかり使って脚を動かさなかったから

脚で床を押して進む時に親指をしっかり使って押せなかったから

ハイハイでも

手を着いて体を支える

手足の協調した動き

顔をあげて周りを見る首の動き、視覚の発達

前後方向へのバランス、平衡感覚

足指の発達

走る前、歩く前の這う動作

ズリバイ・ハイハイの動きで体の使い方を学習し、身体機能を高める

寝返りもしかり

首、肩、骨盤、背骨、足、すべてが繋がった動き

それらが充分にできていないから、身体がうまく使えない

だから運動もうまくできない

できないところがあるのなら、前の段階に戻ってやり直し

だからハイハイ、だから寝返りなのです。

寝返りをする時期、ハイハイする時期には

片側からしか寝返りしない

ハイハイの動きがおかしい

うつ伏せが苦手

飲み方、食べ方の問題等がある場合も

首や肩の筋に緊張があって思ったように動けない

感覚の入力がうまくできない

普段の姿勢、抱っこや哺乳の体勢

口や舌の働き、口腔機能の発達

それらの原因をどうしたら改善できるか

下に挙げたリンク先の「身体調和支援」のような運動発達を促す方法が大切であると考えます。

こどもの体力運動能力の問題

身体・運動だけでなく、いろいろな要因

口腔や栄養なども強く関連します。

それぞれにある原因を考え改善することが重要です。

スポーツが上手になりたいという時

そのための土台となる身体や技能、基礎的運動能力が必要ですが

それらがない子がほとんどです。

日常生活や遊びの中でさまざまな身体動作や感覚を経験し、基礎的な運動スキルを身につけていれば、スポーツへの取り組みへも適応できるでしょうが

それがない状態でスポーツをする、さらに早期に専門特化することは、短期的にも長期的にも問題となると思います。

現代のこどもたちへの運動指導では、その土台をつくることが必要なのです。

「逆立ちも」できるのか「逆立ち(だけ)は」できるのか

2017年 03月 26日

https://tomproject.exblog.jp/23744708

スパルタ式保育園で、逆立ち、バク転、跳び箱ができるようになったのに
卒園して、小学校3年生くらいになると、大半の子は「逆立ちすら出来なくなる」
なぜなら義務教育だから
跳び箱も一段からスタート…
周りのヌルい環境に適応してしまうから
〇〇も環境が大事なのだ!
と、幼児教育を例にして、環境の大切さを説明しているのを目にしました。
(体育関係ではなく、まったく別分野の専門の方の話です)

こういった話に対しては
「そーだ、そーだ、小学校の教育が悪いんだ」
「小さい時からもっと鍛えないからだめなんだ!」
「学校だけではダメだ、スポーツ教室に行くようにしないと!」
というような考えもあるようです。

さて、なぜ「逆立ちすら出来なくなる」のか?

小学校で練習しないからでしょうか?
できるようになったのに?
たしかに時間がたつとできなくなる、忘れるものもあります。
漢字、算数、英語などの勉強も
鉄棒、昔はできたけど、お腹が出て動けないということもありますね。
「自転車に一回乗れるようになると乗り方を忘れない」というのは学習や記憶の説明として例によく挙げられます。
一度覚えたはずの運動がなぜ出来なくなるか、下手になるのか。

小学校に入る前に逆立ちも跳び箱もバック転もできるのだから、全員体育がすごく得意、小学校でものすごく活躍するはず。
しかし、そうでもない。
小学生になって練習しないからなのか。
たしかに学校の体育にも多くの課題があるでしょう。
でも逆立ちくらいだったらどこでもできます。体育の時間なんかはできる子は勝手にしているはず。
そんなに出来なくなる、忘れるようなものでしょうか。

逆立ちも跳び箱もバック転もできるのだから、運動神経?バツグン?
逆立ちも?跳び箱も?バック転も?
逆立ちだけ?跳び箱だけ?バック転だけ?


「も」でしょうか「だけ」でしょうか

逆立ちの練習で、逆立ちだけ出来るようになっている

開脚跳びの練習で、開脚跳びだけ出来るようになっている
バック転の練習で、バック転の技能だけ上達しています

何を当たり前なことを?それが練習?

似た技能、関連する運動もありますが

ひとつの運動の完成度を高めることと、運動能力が高まることはイコールではありません。

さまざまな運動能力や技能を獲得しながら、その運動も「できる」ようになるのが

「逆立ちも」できる状態

特定の運動ばかり、スポーツの練習を繰り返して、その運動が「できる」ようにすることは
「逆立ち(だけ)は」できる状態

というとわかりやすいかもしれません。

丸暗記で、道のりと速さと時間の計算式を覚えて答えが出せるのと

こう考えたら良いのでは?こうしたらどうなるか?なるほどそういうことか!と距離や時間の概念を理解しながら、答えを導き出すことができる。

どちらが本当に理解しているでしょうか。数学的力がついているでしょうか。その後の学習の伸びはどうなるでしょうか。

ある程度なら丸暗記的学習でも通用します。

しかし、ある程度で頭打ちになります。


幼児期の学習は、限られた運動のみに特化してするべきではありません。

競技能力の高い選手になるためには、さまざまな要因があります。
体操競技などは特に、小さい時からそれらの運動を経験しておくことや、できる環境があることは大事であると思います。
幼児の時から体操に親しむことはもちろん、好きになったのならそのまま継続して取り組めることは良いことです。

しかし、体操競技であっても、早くから特定の種目を完成させることを目的に練習をするのは、将来の競技成績を考えても良くないと思います。
跳んだり跳ねたり回ったり、これらは体操競技そのものの動きでもあると思いますが
いろいろな動き、体操に必要なさまざまな運動能力を広く身につけて育てていくことが重要ではないでしょうか。
特定の技の完成度を高めるのはもっと後、幼児期にすべき練習・学習のしかたではない。

幼児なのに、早くに出来ると、すごく見えます
天才とか、スーパーキッズとか言われます

逆立ち「も」できる、跳び箱「も」できるのは良いです

逆立ち「しか」できない、跳び箱「しか」できないのは違います


体操や運動に限らず、その時期を過ぎると、学習や習得がむずかしくなるものもあります。

しかし体操競技であっても、高校や大学から始めても素晴らしい競技能力を身につける人もいます。


赤ちゃんが
早く歩いたから、将来足が速いか
早くしゃべったから、頭が良く?なるか

とにかく早く、早く。小さいうちから鍛えよう、練習しよう、という考え
ちょっと単純すぎる例えなのですが、、

陸上100mだと
小学生で12秒!だから
中学生になったら11秒
高校生になったら10秒
このままいけば9秒台

野球だったら
130km/h投げるスーパー小学生
中学校で140km/h
高校で150km/h
まちがいなくプロに入って160km/h

こんな考えのように感じます。
そんなに単純ではありません。

小さいときには広く、広く。
教え込むのではなく、自分から学ぶように。

運動は本来、自然のなかで遊び、身体を動かし学んでいくものではないでしょうか。

高橋

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